石垣島でバターチキンカレーを食べたいと思っているあなたへ。うちのバターチキンのことを少し話させてください。

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石垣島は3月後半、朝の空気がやわらかくなってきました。

最近、「石垣島 バターチキンカレー」と検索してうちのことを知ってくれる方が増えているみたいで、それがとてもうれしいのですが、せっかくここまで読んでくれたならもう少し話を聞いてください。

3月の石垣島は、これが正直なところ、天気がころころ変わります。青空が広がってポカポカしていたかと思えば、夜になってしとしとと雨が降って、店の中から外を見ていると「今日は何月だっけ?」という気持ちになります(笑)。それでも、朝の空気の匂いとか、風の柔らかさとか、たしかに春が来ているな、というのは感じるんですよね。

そんな季節の変わり目に、なぜかやたらと食べたくなる、というお客さんが増えるのがバターチキンカレーでして。「やっぱりこれだよねえ」と言いながら席につく常連さんも、旅行で来てはじめて食べる方も、だいたい同じ表情をしていますよ。

バターチキンとの出会い、という話

自分がバックパッカーとして旅をしていたころの話をすると長くなってしまうのですが(笑)、長崎から上海に渡ってチベット、ネパール、インド、パキスタン、イラン……と、飛行機を一度も使わずにイギリスの西の果てまでたどり着いた旅が1年半ほどありまして。

その後、帰国してから今の料理長(うちの奥さんのことをこう呼んでいます)と今度は一緒に東南アジアへ旅に出て、中国の雲南省の大理というところのカフェで「俺も旅人がぼんやりできる自分の店が持ちたい!」とビビビッと感じて(詳しい話はまた機会があれば)、それが今の朔につながっています。

バターチキンカレー自体は、石垣島に移住してから研究を始めたメニューで、それは、「バターチキンが俺は好きなんだけどなあ。作ってほしいなあ」というお客さんのひとことから始まりました。タンドリーチキンを入れて作るカレーなので、最初はタンドリー窯がない当店にはできないと思い込んでいましたが、試作を重ね、フライパンをつかってなんとか今の味にたどり着きました。

なんでこんなに「また食べたくなる」のか

バターチキンというカレーの話をするとき、ぼくがよく言うのは「辛くないのに後を引く」ということです。辛いカレーは食べているときにインパクトがあって、それはそれで好きなんですが、バターチキンはそういう感じじゃなくて、気がつくと「もうなくなった」という状態になっている。ごはんを大盛りにしても同じことになるので、これはカレーの方の力だな、と思っています(笑)。

うちのバターチキンは、まずチキンをスパイスとヨーグルトで漬け込んで、タンドリーチキンとして焼いてからカレーに仕上げます。お客さまのオーダーがあってから、最終段階で生クリームとギー(インドの無塩発酵バター)で全体をまとめます。

仕込みに使うスパイスだけでこれ↓だけあって、

  • クミン
  • コリアンダー
  • カルダモン
  • クローブ
  • シナモン
  • ターメリック
  • パプリカ
  • チリ

これが全部混ざり合って最終的に「なんかやさしい味だなあ」になる、というのが面白いなと思っています。スパイスって、強い個性のものが集まってぶつかり合うんじゃなくて、お互いに補い合ってひとつの味になる、というものなんですよね。当たり前のことかもしれませんが、毎日作っていても、そこのところを不思議に思っています。

LUNCH MENU

バターチキンカレー(ランチセット)1,600円

タンドリーチキンをトマトベースのソースで仕上げ、ギーと生クリームでまとめた一皿。辛さは控えめで、小さいお子さんから辛いものが苦手な方まで食べやすいカレーです。週替わりサラダと週替わりデザート付き。

辛いものが苦手な方に、いつも最初に紹介するメニュー

「カレー屋さんって辛いんでしょ?」と入口で少し戸惑った顔をされている方が、たまにいらっしゃいます。お子さん連れで来てくださる方も同様で。そういうとき、ぼくは迷わず「バターチキンはほとんど辛くないですよ」と言っています。

うちの子供たちも小さいころから食べていたカレーで、正直このカレーで育ったようなものです(笑)。家族で旅行に来て、お父さんだけが辛いカレーを食べて子供たちは別のものを頼む、ということにならなくて済むので、そこは親御さんに喜んでいただけることが多いです。

今日のランチタイムのこと

今日のランチタイムで、窓の外を見ながら「空が光ってるねー」とおっしゃっている夫婦がいらっしゃいました。うちは観光地からは少し外れた生活圏にあるんですが、それでも石垣の光というのはガラス越しでも十分すぎるほど入ってくるんですよね。

3月は八重山の海開きの時期で、島全体がちょっとずつ動き出す気配があります。観光で来られる方も少しずつ増えてきて、「何年ぶりに石垣に来た」という方が来てくれることもあって、そういうとき正直、お顔は覚えていなくても、再会みたいな気持ちになれるので、この季節が好きです。

「また来てしまいました」と言いながらバターチキンを頼む常連さんがいます。細く長く、とにかく長くやって味わいがでる店をつくりたい、と思って始めた商売ですが、それがこういう形で返ってくると、やっぱりよかったなと思います。へこたれずにやってきてよかった(笑)。

石垣島に来る機会があれば、ぜひ一度食べてみてください。たぶん「また食べたい」と思っていただけると思います。これは自信があります(笑)。
お待ちしております。

半澤 洋和 / トラベラーズカフェ 朔

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